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埼玉県飯能市 鉱山索道遺構調査(その6・最終回)

【18年4月8日探索・6月5日公開】


目的の遺構発見ですっかり疲れは吹っ飛んだ。
では、本当に帰路に就こう。





ここを下った後に、進路は右方向になる。

現地での最後のポイントは、いったいどこでハイキングコースに合流するかだ。
そこにあらかじめ気づいていたら、私は丸1日かけて彷徨う必要がなかったからだ。





左に古レールの杭がずっと建っていた。
そして、シングルトラックは往路のハイキングコースよりも荒れていた。





このコースはあまり人が通らないんだろうな・・・





やがて、本来のハイキングコースが見えてきた。
この場所はどこだろう?





合流後振り返った。

ここか・・・
往路で、ロープが設置されていた場所の直前のカーブだった。
でもこれ、知っていないと直進はできないよな・・・





ヘリオス号を待たせていた吾野湧水近く、法光寺墓苑の管理棟脇に戻ってきた。
現地調査はこれで終了~





私は探索前に東京都立中央図書館に出向いており、「日本近代の架空索道(コロナ社・1985)」という本の中ならこんな画像を複写していた(以下の画像は「日本近代の架空索道」から引用)。

この画像のタイトルは「武蔵野石灰索道」とだけあって、私はこの画像から想像を膨らませた。
その中で私を混乱させたのが左のホッパーだ。





私はそのホッパーをこの画像のホッパー(吾野駅300mほど先の西武建材社のホッパー)なのではないかと思ったのだが、それだとどうにも説明がつかない。

私が今回見つけた索道支柱の場所と、白岩からの索道ラインとこのホッパーがどうしても符合しないのだ(日本鋼管と西武建材との結びつきも特に無いようだったので、その点も説明がつかなかった)。





ここで、「日本近代の架空索道」から拝借し、索道ルートの地図を示したい。





それをヤフー地図に描きこむとこうなる。

「日本近代の架空索道」から、「武蔵野石灰索道」の説明分も抜粋引用する。
★日本鋼管 武蔵野石灰索道(昭和13年)
 埼玉県入間郡吾野村吾野駅~名栗村白岩
 線路長9.86km、高低差456m、最大径間500m、支柱数45、最高支柱高45m、停留場数4
 石灰石採掘場は、鳥首峠近くの白岩(937m)、名郷、穴沢に中間停留場、武蔵野鉄道吾野駅裏の台地に停留場、貯鉱ビンを設け貨車積み行った。

ここまでの状況での推測では、今回見つけた支柱の遺構が白岩から吾野駅までのものである可能性は低くないと思うが、西武建材社のホッパーとは別のホッパーが吾野駅裏手にもうひとつあった事になる。
過去の航空写真も含め、今のところそれは裏付けられていないが引き続き調査は続行しようと思う。

(おわり)

  

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